最近では地球環境や住環境にこだわる方が増えている中、自然素材の内装材や廃棄ロスを減らすような商材も増えてきました。
そこで今回は弊社でも多くの施工実績がある『エコフリース』について、施工店の観点からの解析を従来の塩化ビニール壁紙と比較していきます。
漆喰(しっくい)をお考えの方や自然素材の内装にご興味のある方には特にご参考になると思います。
エコフリースとは
従来の表面が塩化ビニールで裏地が紙の壁紙とは違い、フリース(不織布)でできた壁紙です。
艶のない水性塗料で仕上げを施してあり、塗り壁のような質感があります。
またフリース素材は丈夫ですので、建物のクラックやひっかき傷にも強く破れにくいです。
調湿性能も高く、結露やカビの発生を軽減するたいへん優れた商材です。
なぜエコなのか
1.素材
エコフリースは、パルプ等の自然素材を原料とし、強化のためにポリエステルを加えた壁紙用のフリース(不織布)でできております。
従来の塩化ビニール壁紙の様に可塑剤(かそざい)などの化学物質が少ないので安全性にも優れています。
また、帯電しないのでほこりなどがほとんど付着しないのも特徴です。
2.メンテナンス
最終仕上げが塗装ですので、傷や落ちない汚れの補修は塗装の塗り重ねで済みます。
最大で10回の重ね塗りが可能です。
またフリース(不織布)は塗装が塗りやすくプロでなくとも綺麗に塗ることができます。
手垢などの汚れは水もしくはぬるま湯を含ませたタオルなどで軽くこすっていただければ落ちます。
3.貼り替えから塗り替えへ
最大で10回までの塗り替えが可能なので、生活環境の変化やリフォームの際に貼り替えることなく塗り重ねることで簡単に模様替えが可能です。
貼り替えの際に発生する大量のゴミを減らすことができ、CO₂の削減にも貢献できます。
4.フリース壁紙は世界標準
海外では、フリース壁紙が市場の80%を占めております。
その理由としては、フリース壁紙は耐久性と施工性が高いことと、塩化ビニールが地球環境に悪影響を及ぼすからです。
SDGsの進んでいる北欧の国では塩化ビニール素材の使用を禁止している国もあります。
一方、日本では塩化ビニール壁紙が主流で壁紙市場の約90%を占めています。
今後は日本でもこの流れが進んでいくと思われるでしょう。
以上の観点からエコフリースは従来の壁紙に比べエコであると言えます。
メリット・デメリットについて
まだまだ市場での認知が低くあまり見かけないエコフリースですが、弊社では年間約10件ほどの施工実績があり経験も豊富です。
そんな施工店ならではの視点からメリット・デメリットを説明していきます。
エコフリースを選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
メリット
1.マットな仕上がりと柔らかい質感
壁紙の魅力はなんといっても選んだ色や柄によって部屋の雰囲気が決まることです。
貼り替えなどをしたことのある人は壁紙を貼り替えるだけでお部屋の雰囲気ががらりと変わったという経験があるかと思います。
エコフリースは自然素材をベースに塗装で仕上げてある壁紙です。
そのため塗装のノリも良く、光沢のないマットな仕上がりが特徴的です。
また表面もフリースなのでしっくいで仕上げたような重厚で柔らかい質感があります。
従来の壁紙ではどうしてもビニールの光沢が出てしまい、このような仕上がりや質感を出すことは難しいです。
今は新築の住宅で貼ることが多いのですが、全体に貼りあがった時の室内の雰囲気はすごく温かみのある優しい空間になると実感しています。
2.丈夫で破れにくい
施工をしていて特に感じることは、破れにくく丈夫だなということです。
これは生活をしていて角に物をぶつけたり、引っかいたりしてもほとんど傷になりにくい程です。
もちろん壁に穴が開くほどの衝撃などには耐えられません。
私の自宅もエコフリースが貼ってありますが、塩ビ壁紙の壁は物や体で引っかいてしまって表面が欠けていたりするのですが、エコフリースが貼ってある壁は無傷です。
汚さないように気を付けているのではなく、むしろその壁に物を掛けたりしているのにも関わらず綺麗な状態を保っています。
後ほど紹介しますが子供が落書きをしてくれていた時もありましたが、汚れはしても傷がつくことはまずないでしょう。
3.ジョイント(つなぎ目)が開きにくい
壁紙のつなぎ目が開いてきて気になる方も多いのではないでしょうか。
エコフリースはつなぎ目が開いてくることはまずないと思ってもらって大丈夫です。
従来の裏地が紙の壁紙では、水分を含むことで伸び、乾燥することで縮みます。
壁紙貼り職人はそのことを知っていますので、壁紙に糊を付けてから壁紙が伸びきるまで時間を置いて、縮みかけて落ち着いたころにつなぎ目を目立たなくする工法を行います。
ですが施工時はこのように気を付けていても、経年によってつなぎ目は開いてきます。
それは梅雨時の湿気で水分を含んだ壁紙が膨張し、冬の乾燥によって壁紙が縮むからです。
この繰り返しによって徐々に伸縮率に誤差が生まれ、つなぎ目が開いてくるということになります。
一方でエコフリースは裏地が紙ではなくフリースです。
フリースは水分を含んでもほとんど伸びない特徴があります。
季節による湿気や乾燥の影響を受けずに仕上がった状態を維持できるため、経年によるつなぎ目の開きが起こりにくいのです。
4.メンテナンスがしやすい
これは実際に我が家での事例になります。
私の家では実験的にリビングの一面とキッチンのガスコンロの近くにエコフリースを施工しました。
どちらも汚れやすく人や物が触れやすいところになります。
リビングの一面ですが、こちらの思惑通りに子供が落書きをしてくれました。
最初は拭いたりしていましたが、子供が落書きをしなくなったころに塗り替えることにしました。
弊社は壁紙を貼るのは得意ですが、塗るのは塗装屋さんの仕事なので得意ではありません。
知り合いの塗装屋さんから水性の塗料を購入し、養生をしっかりとして、子供達と塗り上げました。
エコフリースは塗装仕上げをすることが前提として作られているため、非常に塗装も塗りやすく、素人が塗っても綺麗に仕上がります。
このことから壁が汚れてもわざわざプロに頼む必要がなく、簡単に綺麗な状態に修繕することができます。
次にキッチン。
ガスコンロの近くは油などが飛んだりして汚れやすいです。
塗装がノリやすいので心配はしていましたが、汚れが乾いてしまう前にぬるま湯を含ませたスポンジやタオルで拭いて最後に空拭きをすれば簡単に汚れを落とすことができました。
丈夫で破れにくいので強い力でゴシゴシ拭けるのも魅力的です。
デメリット
1.価格が高い
ご検討する上で一番のネックになるのが金額ではないでしょうか。
頼む会社や地域によって変わりますが、従来の塩ビ系壁紙が1,000円/㎡~に対して、エコフリースは1,700円/㎡~になります。
従来の壁紙と比較すると高く感じるでしょうが、エコフリースにご興味のある方は漆喰(しっくい)などの自然素材にご興味のある方かと思います。
漆喰の仕上げが5,000円/㎡~と考えるとかなりお値打ちだと感じます。
漆喰などをお考えの方はエコフリースも是非ご検討されてはいかがでしょうか。
2.工期が通常の壁紙より長くなる
1度貼ってしまえば貼り替えることがほとんどないため、下地の作り方や折りジワなどがつかないように貼るなど色々と気を付けて施工します。
なのでどうしても通常よりは時間がかかります。
特に通常の壁紙からエコフリースへの貼り替えの際は下地処理に時間がかかることがございます。
これはエコフリースを施工した箇所を長く綺麗に保つためには必要なことではあります。
最後にお知らせ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事を読んでエコフリースにご興味を持たれた方が増えていただけると光栄です。
ナガイさんのサイトURLもこちらに貼っておきます。
塗り壁のようなクロス Eco Fleece エコフリース
最後に、エコフリースに関してもう一つの課題としては施工店が少ないことでしょうか。
ですが弊社では施工実績、実例と豊富な経験がございます。
是非、エコフリースをご検討の方はお問合せください。
日中は事務所不在で連絡が取れないこともあるかと思いますので、メールでのお問い合わせが確実です。
またエコフリース施工後の塗装工事やメンテナンスについてもご相談を承っております。
実際に子供達と塗った様子も載せておきます。
落書きなどで汚れてしまったエコフリース
実際に塗っている子供たちの様子
塗りあがり 完了(2021年 春)
『与多喜堂』は愛知県で店舗・住宅の内装仕上げ工事を手掛ける会社です。
一般的な壁紙はもちろん、エコフリースや輸入壁紙などの特殊壁紙を含む様々な壁紙の施工実績があります。
また床、ダイノックシート、ガラスフィルムなど内装工事に幅広く対応しております。
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